たそがれ清兵衛
テレビの放映でやっと見ました。
これだけ素晴らしい作品は是非映画館で見たかったなぁ。
(でも、劇場公開時の「泣ける」って宣伝は、ちょっとずれていないかなぁ)
藤沢周平の短編「たそがれ清兵衛」「竹光始末」「祝い人助八」を合わせて脚本が作られているそうです。
原作はとても短いので、確かに1本の劇場用映画にするには短すぎますが、「たそがれ清兵衛」原作で私の気持ちを一番とらえた、清兵衛の「ただ妻を思う気持ちのためにすべてを捧げる」部分が取り替えられてしまったのはただ一つ残念な点でした。
日常の生活には、日々大きな出来事などはなく、同じように過ぎていきます。
ただ、そこに時折さざ波が立つと、ある人には大波のように押しよせてしまう。
だけど世の中には大きな変化はなく、翻弄された人々以外はなんでもない日常を過ごしている。
そんなある時代の出来事を描き出すことを藤沢周平は得意とし、その藤沢作品の世界をこの映画はリアルさにこだわることにより見事に映像化しています。(時代考証には執念を感じるほどです。)
上意討ちのシーンは、迫力ある合戦シーンや、痛快華麗な立ち回りとは違う、「殺し合い」としての斬り合いをリアルに描いた、当代随一の殺陣と言い切ってしまいます。
米国アカデミー賞は逃しましたが、日本の映画賞は総なめにしたこの作品の世界観は、
『サムライブームが起こっても、アメリカ人はわっかんねーだろーなぁ。』
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コメント
こんにちは、夏川です。
ほんとに、下級サムライの悲哀は外国の人には
分からんかもしれませんね。
投稿: 夏川 | 2004年3月 8日 (月) 20:58