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2004年3月 3日 (水)

あやし

あやし
宮部 みゆき 著
角川文庫 (2003/4)
book_20040303


宮部みゆきによる時代小説「江戸怪奇談」です。
宮部みゆきが描く江戸は、魑魅魍魎と市井の人々が、ちょっとの緊張感を保って当たり前のように隣り合わせに住んでいます。

「本所深川ふしぎ草紙」や「幻色江戸ごよみ」では、謎解きを軸に物語が展開していきましたが、本作では不思議な話そのものが題材です。
本書の九編は、決して恐怖をあおるわけではなく、話は淡々と進んでいきます。
しかし、謎が解けて腑に落ちてという結び方ではないためでしょうか、話の終わりに妙にざらついたなんとも言えない不安定感が残ります。

心の隅に「あやし」を植え付けられるこの感じをぜひ味わって下さい。

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» 人を殺したいほどの怨念に駆られたら…
宮部みゆき著『紙吹雪』を読んでください
[Art Grey]
宮部みゆきの短編時代小説『紙吹雪』を読んで最近の犯罪について思ったこと…のようなもの。 [続きを読む]

受信: 2005年2月20日 (日) 04:59

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