完四郎 広目手控
完四郎 広目手控 高橋 克彦 著 集英社 (1998/08) |
著者の作品は「陸奥三部作」で、かなりドップリとはまったのですが、たまたま図書館で並んでいたのが「怪奇モノ」っぽい題名ばかりで、なかなかそれ以降手に取らずにいました。
題名にある「広目」とは、瓦版や宣伝を生業にするものです。
広目屋の藤岡屋由蔵の居候、「香冶完四郎」と一癖も二癖もある仲間の騒動記です。
かなーり「おめでたい」設定で、主人公の完四郎は切れ者だわ、育ちは名門旗本の放蕩息子だわ、剣の腕前は江戸随一とできすぎです。
ところがその周りにいる登場人物の個性がなかなかに絶妙で、「よくもまぁそんな都合よく」と冷めてしまいそうになる手前で、ぐいぐいとストーリーに引き込まれていきます。
ただ読後の満足感がちょっと物足りないのは、主人公が「スーパー切れ者」なのに、最後のエピソードのキーパーソンに未来が見えちゃう「異能者」まで引っ張り出しちゃのはちょっとやりすぎかなと感じるってとこでしょうか。
(図書館にて借り出し)
余談ですが「時宗」はおもしろいですよぅ。
これだけおもしろい物語を、あれほどつまらない話にしちゃう「○HK大河ドラマ」ってなんなんでしょかねぇ。
陸奥 (みちのく)三部作:
「炎立つ」「火炎」「風の陣」
平泉藤原三代をその起源から描く大河小説
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